僕には一つ悩みがあります。学生卒業後に現在の会社に就職してずっと働いてますが、この会社・この仕事は自分に合っているのか?という漠然とした疑問です。そんな時に書店で手にした本書には、自分に合った仕事をどのように見つければ良いか?を探すヒントが書いてありました。
本の概要
森岡毅(著)、ダイヤモンド社発行、2019年4月初刷
本書は、ヘアサロンのヴィダルサスーンや大阪のユニバーサルスタジオジャパン再建時のマネージメントに携わってきた森岡氏が、これから社会人になる自分の娘に向けて「自分の将来や仕事を決める時の考え方」について書いた一冊です。
具体的には、
- 就職・転職先を選ぶときの指針
- 自分のやりたいことの見つけ方
- 職業上必要になる能力(職能)の分類とそれに対する自分の能力や強みの見つけ方
という職業の選択に特化した部分に加えて、
- 現在の日本の社会構造=資本主義社会
- プレゼンテーションで緊張しない方法
- 不安に感じた時の対処法
など、社会人として知ってると有利な内容が書かれています。
本書の核の部分の「自己分析が大切」という内容は他の自己啓発本と同じですが、本書では特に自分の職業選びに特化した自己分析の方法を提案しています。
したがって、これから社会人になる学生や、現在のキャリアに悩んでいる人全てに参考になる本です。
一部、「人間は平等ではない」という過激な部分や、「自分の人生は自分で切り開く」などの文章がありますので、それが暑苦しい・苦手だという人は合わないかもしれません。
それでは、特に印象に残った部分の感想を書いていきます。
自由度とスキル
プロとして十分なスキルを獲得すれば主導権は君に移る。己のスキルを伸ばす舞台として君の方が会社を選べるようになっていく。
引用 P40
僕はこの文を読んで、「自分に能力・スキルをつけることで、仕事をコントロールできるようになる → より自由になれる」と解釈しました。
例えば大学の卒業研究の時。通常は発表会が終わって、まとめた論文を提出すれば、後は大きなイベントが無いので、卒業旅行に行ったり、就職先へ引っ越しの準備をしたりします。
僕の場合は、全く研究内容が完成していなかった(ほぼ先輩データのコピペ汗)ので、発表会での審査はギリギリで、その後のまとめも上手く出来なかったので引っ越し直前まで大学に通ってました。
ですから、卒業研究を終えた友人や当時の彼女が会いに来てくれても遊べず、卒業旅行も遠くへ行くことはできませんでした。
また、社会人になって海外旅行に興味を持ち始めた頃はチームでも一番残業が多かった時で、年休を取得すると「残業が多いのに休みをとるの?」と上司に言われ、すごく切ない思いをしました。
それが現在では、基本的に定時には仕事を終わって帰り、年休も自分の好きな時に取得して休めるようになりました。
この理由は、「現在自分がしてる仕事を自分でコントロール出来ているから」です。
なぜコントロールできるか?の理由は明らかで、「仕事をある程度コントロールできるだけの能力・スキルを自分が身につけたから」です。
したがって、自分に力をつければ、その分自由になれる。
この法則を実体験として感じてるので、これからも突き進んでいこうと思ってます。
自分を信じること
人が最も苦しいのは、自己評価が極端に低くなっているとき。自分自身で自分の存在価値を疑う状況に追い込まれたときだ。~(中略)~周囲と比較して自分ができないことが積み重なると、劣等感がどんどんハイライトされてくる。理想とのギャップから徐々に重くなってくる焦燥感や、周囲の期待に応えられないときに刺す冷たい無力感。これらは自己肯定感を容赦なくどんどん削ってくる。
引用 P214
僕は「メンタルの浮き沈みが激しい人生」を送ってきたので、すごく同感します。
中学時代の成績は一番だったので地域でトップの進学校に進学しました。
高校から部活でテニスを始めて人一倍練習し、小中学校からテニスを始めてるライバルたちに試合で勝って、最高戦績は東北大会のベスト8まで進めました。
そのまま大学に進み、特に何も考えずに生活してました。
大学卒業の頃に異変に気付き始め、「社会人デビュー」でメンタルが潰れそうになります。
当時はメンタルとか自信とか全く気にしていなかったので分かりませんでしたが、今振り返ってみると、メンタルダウンは「自分に自信が無い時」に起こることを実感してます。
当時どん底だった自分に声をかけるなら、自分に能力が無いから出来ないわけではなく、ただやり方(知識)を知らないだけだから落ち込む必要はないよ!って伝えたいですね♪
結びに
いかがでしたでしょうか?
これから進路を考える人、現在の仕事に不満がある人、転職で悩んでいる人。。。
ひと昔前よりは転職しやすい風潮になってきていますが、ただ会社・職種を変えただけでは、また同じ悩みを抱えてしまうことがあるかもしれません。
したがって、次の行動を決める前に本書を読んで一旦自分の今後の方向性を吟味してみてはいかがでしょうか?
全くの余談ですが「ずっと同じパッション(情熱)を持ち続けること」ってすごく難しいって最近感じてます。
例えば、英語などの試験を受けて成績が悪かった直後は、次回はもっと頑張ろう!と思う。
スポーツの試合で負けた直後は、敗因を分析して徹底的に練習しよう!と思う。
仕事でプレゼンテーションが思うようにいかなかった直後は、次は完ぺきに準備しよう!と思う。
でも時間が経つと、そのパッションはいつの間にか下がってきて、また前回と同じような結果になってしまう。
このパッションを持続させる方法の一つとして、定期的に自分を刺激することを実践してます。
したがって本書に出てきた「アツい言葉・文章」を最期に抜き出して終わりにしたいと思います。
やる気が出ないと悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください!
好きなことを選べたならば、ワクワク、ドキドキ、しびれるような達成感や、叫びたいような興奮に包まれることが何度も何度もある!その興奮と感動が「やりがい」であり、人はそれを味わうために生まれてきたのではないか? P12
人間は極めて痛がり屋で怠け者にできているが、同時に死にそうになると必死になるようにもできている。新しい山に移ってそこで生き残るしかないのであれば、必死で努力する習性を誰しもが持っているのだ。 P203
人間は、気持ちよくなるとすぐに成長を止めてしまう生き物だ。~(中略)~ 1年前の自分と比べて、一体何を新しくできるようになったのかを冷静に問うて欲しい。そのときに明確な答えがないならば自分の成長が停滞してしまっている現実を自覚すべきだ。 P204
「今日の自分は何をどう学んで昨日よりも賢くなったのか」、その一点を問える自分であればいい。 P226
競争している本当の相手は他人ではなく、自分の中にある自己保存の本能(楽で安心安全な方向へと行きたがる心理) P35
自己保存の本能の話を思い出してほしい。チャレンジによって起こる変化が大きいほど不安は大きくなる。つまり、不安とは、本能を克服して挑戦している君の勇敢さが鳴らしている進軍ラッパのようなものだ。不安であればあるほど、君は勇敢なのだ! P267